4月22日より営業を開始し、約ひと月の間で一番たくさんお預かりしたユニットは何だったのか、調べてみました。
一番数が多かったのは、JBLの38㎝(15インチ)ウーハー。
2231A、2235Hなどのウレタンエッジ貼り替え 合計14セットでした。
JBLの38㎝ユニットに限らず、一般的なユニットはウレタンエッジがボロボロになってしまった…というようなエッジの劣化を切っ掛けに修理をご依頼いただくことが多いのですが、コーン紙の下の磁気も酸化しています。プレート上の黄色に見えるのが酸化物で、ビスにも酸化物の白い粉が確認できます。
大事なギャップ(ボイスコイルが入る隙間)にわずかな鉄粉やサビの欠片があるとそれだけで異常音の原因となりえますし、この欠片がボイスコイルを傷つけ、断線を引き起こすこともあります。
そこで当社ではまず、コーン紙を含む振動系をいったん磁気から完全に剥離し、磁気の酸化物やごみをきれいに除去、クリーニングしたのちに防錆処理を施します。
その後、新しいエッジを貼った振動系を磁気に戻します。
このようにオーバーホールすることで、エッジ貼り替えだけでは解消できない微細なビリ付きや異常を発見し、修理することができます。また同時に、ユニットの心臓ともいえるボイスコイルの状態も確認することができるのです。
丁寧にウレタンエッジを貼った振動系を磁気に戻す際には、外観の美しさにも気を配りながら動作調整(センター出し)を行います。
しっかりとセンターが出て、各部の接着が安定したら、ミュージックソースによるエージングを最低でも2日間行って修理完了となります。
JBL 2231A や 2235H は日本でもかなり流通した 4343、4344 などのウーハーです。エッジ貼り替えと磁気のオーバーホールを経て、これからもまだまだ現役で、気持ちよく鳴ってくれることと思います。
修理概算価格
JBL 38㎝口径 エッジ貼り替え一式 1本 34,500円(税抜)