Diatone P-610の修理(ウレタンエッジ貼り替え)とその時代の懐かしいお話

このところDiatone P-610の修理ご依頼が続きました。今回は手のひらサイズのかわいいユニット、P-610のウレタンエッジ交換の修理をご紹介します。

P-610はいわずと知れた名器。
16cmのフルレンジユニットでロクハンと呼ぶ方も多いですね。Wikipediaによりますと…

三菱電機がダイヤトーンブランドにて1958年(昭和33年)に販売した、16センチフルレンジスピーカーユニットである。NHKが自社で定めたBTS(放送技術規格)に最初に合格し、勇名を馳せた。

Wikipedia

発売時の価格は1,950円だったそうです。

このユニットについていろいろなお客さまや業界の先輩からお話を伺っていますが、私たちが生まれる前の話…。
それでも今も修理したいというオーナーさまが多数いらっしゃることを思うと、すばらしいユニットであることは間違いないのだと確信しています。

やはりウレタンエッジの劣化が主な修理依頼の理由ですが、フレームの一部やギャップ内に酸化物が確認できますので、オーバーホールの上ウレタンエッジを交換します。

以下、お客さまの許可をいただき、写真を掲載させていただきます。

Diatone P-610A エッジが劣化
きれいなエンブレム
コーンを外してみると磁気には赤サビ、ギャップ内には異物が確認できます

磁気、ギャップ内をきれいにクリーニングし、防錆処理を施します。ラグのハトメ部も酸化していますのでクリーニング。そしてウレタンエッジを貼り替え、音の調整をします。

Diatone P-610A

手のひらにひょいと乗るほどのサイズで、華奢に見えるのに立派なモニターの音と評判のユニット。これからも楽しんでいただけるとうれしいです。

ところで…
P-610の発売は今から62年前の1958年とのこと。この時代のことを調べてみました。

できごと

  • 東京タワー完成!
  • 巨人・長嶋茂雄選手、4打席4三振デビュー!
  • スバル360、425,000円で発売
  • 突然のフラフープブーム
  • 浅間山大爆発

●流行語

  • イカす(By石原裕次郎)
  • シビれる 
  • ながら族 

●賃金
大卒銀行員初任給:12,700 円

●物価
国鉄初乗り:10 円
たばこ(ゴールデンバット)30 円

いかがでしょう?
懐かしんでいただけましたか?
このような時代から愛され続けているDiatone P-610。振動系が無事であれば甦らせることができます。おうちで眠っているP-610がありましたらお気軽にお問い合わせください。


1本あたりの一般的な修理価格


Diatone P-610 修理一式
ウレタンエッジ貼り替え、磁気回路オーバーホール、動作調整


1本 12,800円(税抜)