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地元のお客さまからお預かりした TANNOY ARDEN MK2 (タンノイ アーデン マークツー)の修理をご紹介します。
「しばらく聴いていなかったため全体のメンテナンスをして欲しい」とのご希望でお持ち込みいただきました(近隣のお客さまの場合、比較的輸送方法が柔軟です)。

エッジ貼り替えなど基本のオーバーホール完了
すべてのオーバーホールが完了したTANNOY ARDEN MK2

まずはお預かりした時の状態から。
ユニット3828のエッジが劣化しています。コーン紙は退色はあるものの、きれいです。
ユニットを固定しているビスなどは錆が発生しています。
エンクロージャーは経年でのスレ、汚れなどがあります。

お預かり時はエッジの劣化、ビスの酸化、エンクロージャーの汚れなどが目立ちます
お預かりした状態。エッジが劣化していることがわかります
ユニットを固定しているビスが赤くさびています
ユニットを固定しているビスがさびています

では、エンクロージャーからユニットを取り出し、分解しながら状態を細かく見ていきます。
ユニットは3828。「同軸」という構造で、ひとつのユニットで高域と低域を出しています。

動作としては高域、低域ともに異常音です。
経年によるエッジの劣化、磁気回路の酸化、コネクタ端子の劣化など一般的な状態で、当社のオーバーホールで問題なく修理が可能と判断しました。

※写真はクリックで拡大します。

こちらはネットワーク。
動作的には問題がなく、素子の劣化もありませんでした。

ただ、半田の劣化、ファストン端子劣化、ターミナルの劣化、スイッチのガリなどが確認できましたので基本的なオーバーホールが必要です。ご希望によりターミナルは汎用品に交換させていただきます。

できるだけまた長くお使いいただけるよう、丁寧にオーバーホールをし、しっかりと動作調整させていただきました。

※TANNOY ユニットとネットワークのオーバーホール内容は、TANNOY GRFMemory の事例もご参考ください。

オーバーホール後は、ユニット、ネットワークそれぞれ単体でエージングチェックをし、問題がないことを確認したのち、エンクロージャーに組み込みます。その際、各部のビスも交換やクリーニングを経てきれいにしています。

慎重にエンクロージャーに組み込んだら、さらに発振器を用いて動作確認をします。
その後、1週間程度ミュージックソースで鳴らしこみをし、問題がないことを確認してようやく修理完了となります。

新しいエッジに貼り替え、オーバーホールが完了したTANNOY 3828
エッジ貼り替え後のTANNOY 3828
スピーカーターミナルはDaytonAudioのものに交換しました
DaytonAudio のターミナルに交換
すべての修理が完了し、きれいに甦りました。
すべての修理が完了

この度はエンクロージャーの再塗装は実施しませんでしたが、できるだけきれいにクリーニングさせていただきました。

しばらくのお休み期間を経て、また TANNOY らしい優しく豊かなサウンドを奏でてくれるようになりました。
これから末永くご愛用いただければうれしく思います。
ありがとうございました!

ご愛用のスピーカー修理のご相談は、お問い合わせ からお寄せください。
大型スピーカーの輸送もご相談に応じます。


TANNOY ARDEN MK2 ペアの修理概算価格

オーバーホール 一式 205,200円(税込 225,720円)程度

※価格は予告なく変更する場合があります。
※スピーカーの状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。
※このページの例では、オプションのターミナル交換、加算などを含めると総額ペア  260,000円(税込286,000円)程度でした。
※送料は別途必要です。