TANNOY MonitorGold、MonitorRed、HPD385、3228、3839M などのTANNOY の同軸ユニットでは、ネットワークからの配線受部のコネクタ端子が経年により劣化、酸化している個体がとても多くなりました。
これは、接触不良・導通不良を引き起こし、音が出なくなるという問題につながります。
TANNOY 社からのパーツの供給はないため、当社ではユニットの形状に合わせて2種類のコネクタ端子を作成し、オーバーホールの際に交換させていただいています。
○TANNOY MonitorGold、MonitorRed、HPD385、HPD315など
フレームが丸形で、ネットワークからの配線を受ける部分も丸型のタイプです。


当社でお預かりするこのタイプのユニットは、筒状の端子が割れたり、折れたり、広がったりしている個体が多くみられます。とくに MonitorGold、MonitorRed など年式の古いものはほとんどが劣化しています。
下の写真内では、右下の1つが割れて広がっていて、接触不良がおきていました。

このような場合、当社で作成したパーツでターミナル板ごと交換させていただきます。


ターミナル板の交換後は、ネットワークからの配線をしっかりと受け止められるようになり、ガタつきや接触不良もなくなりました。
比較的新しい年式のHPD385では、このパーツが劣化していない個体もあるため、必要に応じて、あるいはお客さまのご希望により交換させていただいています。
○TANNOY 3839W、3828など
フレームが変形角型で、ネットワークからの配線を受ける部分が四角いタイプです。

樹脂製ハウジングの中に4本の爪のような形状の端子が並んでいますが、当社でお預かりするこのタイプのユニットのほとんどで端子の酸化、つぶれ、変形がみられます。

この場合は、当社で作成したコネクタ端子のみを交換します。

こちらもネットワークとの接続はばっちりです。
このタイプはほとんどの個体が劣化していますので、当社のオーバーホール一式にコネクタ端子交換が含まれています。
このように、コネクタ部分のパーツを交換することで、これからも長くTANNOYサウンドをお楽しみいただくことができるようになります。
当社では古いスピーカーをたくさんお預かりし、なるべくオリジナルを残しながら修理をしていますが、純正パーツが入手できないにもかかわらずどうしてもパーツの交換が必要な場合は、できるだけ精度の良い代替品を使用して修理をします。
ところが古い海外製品などは、その代替パーツも探せないことも多々あります。
「メンテナンスして使い続けたい」というお客さまのご要望があり、私たちに「修理させていただきたい」という気持ちや技術があっても、パーツがなければ修理は難しくなります。
私たちはオーディオラボオガワ時代より少しずつ、その時々の状況に合わせて専門家のお力を借り、お客さまのご意見を伺いながら修理用パーツを作成しています。
上記でご紹介した丸形対応のターミナル板も、お客さまにご協力いただきながら作成いたしました。
※パーツの販売は行っておりません。
※ターミナル板、コネクタ端子交換のみは承っておりません。オーバーホールをご依頼いただいた中で交換させていただきます。
オーバーホールについては「TANNOY HPD385/HPD385A スピーカーユニット修理実例と価格」をご覧ください。写真も多数掲載しています。
オーバーホールの基本料金は「修理料金」をご参考ください。
TANNO 同軸ユニット コネクタ端子交換 1本の修理概算価格
○MonitorGOLD、HPD315など丸形ターミナル一式交換(部品代含む)
:オーバーホールに加え、15,000円(税込 16,500円)追加となります。
○3828、3839Wなど角型ターミナル内端子交換(部品代含む)
:オーバーホール一式に含まれています。
※価格はパーツ作成費などの影響で予告なく変更する場合があります。
※ユニット個々の状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。