公開日:

岐阜県からお預かりしたTANNOY 3LZ(スリーエルゼット)の修理をご紹介します。
1961年に登場した比較的小型のスピーカーですが、家庭用として非常に人気が高かったそうです。今も状態の良いものは価値が高く、当社でも修理ご依頼が多いモデルのひとつです。

3LZは搭載ユニットがさまざまありますが今回は最も代表的な MonitorGold 。また唯一無二ともいえるネットの状態も良好でした。

レリックで修理済みTANNOY 3LZ(MonitorGold)
すべてのオーバーホール完了後のTANNOY 3LZ

当社に到着時、音のチェックでは片チャンネルが異常音。またネットワークは素子不良による動作異常がありました。

スピーカーを可能な限り分解して異常の原因を把握しながら状態を確認します。
なお、ご依頼品個々の状態はさまざまですので、この確認後、お客様に正式な修理のお見積りをご提示します。正式お見積りをご承諾いただいたら修理に着手します。

TANNOY の同軸ユニットは、ひとつの磁気で高域と低域を担います。そのためユニット2本分のオーバーホールが必要です。今回は高域側、低域側共に磁気回路に酸化があり、ギャップ内に酸化物が落ちていました。またターミナル受部の端子も劣化していました。

MonitorGoldは磁気回路をオーバーホールし、ターミナルやビスも交換しました。このターミナルは当社でTANNOY専用に作成した部品です。コーン紙・エッジ・ボイスコイルなど振動系の状態も確認し、必要な補強・補修をしたら、改めてコーン紙をセットして、発振器で音を出しながら動作調整(センター出し)を行いました。

ネットワークも半田の打ち直し、不良素子(コンデンサーや抵抗)の交換、スイッチを含む全体のクリーニングを実施しました。

MonitorGold、ネットワークともにオーバーホールが完了したら、それぞれエージングチェックを経てエンクロージャーに組み込みます。

その後、スピーカー全体での発振器によるチェッスピーカー全体でのースによる1週間程度のチェックが完了したら、ようやく修理完了となります。

レリックで修理済みTANNOY 3LZ(MonitorGold)
修理完了TANNOY 3LZ 正面
レリックで修理済みTANNOY 3LZ(MonitorGold)。背面に高域をコントロールするツマミと配線があります
修理完了TANNOY 3LZ 背面

お客様からは「べっぴんさんになって帰宅しました。見違える、否、聞き間違えるような音でした。これからも可愛がって使わせてもらいます。」といううれしいメッセージをいただきました。

これからもお客様と3LZ、ともに素敵な時間をお過ごしいただけることを願っております。
ありがとうございました。

修理のご相談は、お問い合わせ からお寄せください。


TANNOY 3LZ(MonitorGold搭載) ペアの修理概算価格

基本オーバーホール 一式 220,000円(税込 242,000円)程度

※価格は予告なく変更する場合があります。
※スピーカーの状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。
※送料は別途必要です。