イギリスのSpendor(スペンドール)の2Wayスピーカーの修理をご紹介します。
2000年ごろに発売されたスピーカーで、当時から柔らかく聴き疲れしない音が好評だったそうです。

レリックで修理させていただいたSpendor SP2/3 ペア

この度は沖縄県からお送りいただいたペアの修理です。

お客様からのご報告は、地元のオーディオ専門店様に診断していただいた結果「片側は異常音、もう片側も不具合が出る可能性がある」ということでした。お気に入りの音をこれからも聴き続けたい、というご希望のもと当社にご相談いただきました。

それでは、お預かりしたときの状態から。

沖縄から東北まではるばる旅してきてくれたペアです。
それだけでもなんだか愛おしくなってきます。

おそらくお送りいただく前に確認をしていただいた作業の結果だと思いますが、右側のツイーターが上下逆についています。

またウーハーのエッジは左右共劣化していて、特に右側はすでに亀裂、欠損があります。

当社の動作チェックでは、ウーハーは両側とも異常音、ツイーターは右側が音出ず、でした。

修理前のSpendor SP2/3 ペア

さっそく分解し、点検していきます。
まずはツイーターの音が出ない方を分解して確認しましょう。

音が出ない原因は、経年劣化によるボイスコイル引出部の酸化でした。

ボイスコイルの巻線自体は問題ないようですので、再引出を行うことにします。

また、ボイスコイル引出部の先に接続されている極細リード線の一部が潰れていることが確認できました。

プラス側、マイナス側ともリード線を代替品で交換します。

また、これから先も安心してお使いいただけるように、もう1本のツイーターも同様の処置をすることします。

続いてウーハーです。
ゴムエッジが劣化していますので、新しい代替ゴムエッジで貼り替える必要があります。

エッジが劣化し破れているウーハー

磁気は年式のわりにきれいで、ボイスコイルとモール線も問題ありませんでした。
丁寧にオーバーホールし、ゴムエッジを貼り替えたコーンをセットして動作調整に進みます。

オーバーホール前の磁気回路、振動系

ネットワークは左右で異常がなく揃っていましたので、素子の交換は行わず、半田の打ち直しやファストン端子の交換などを行いました。

それぞれの修理が終わり、エージングにて経時変化がないことを確認後、エンクロージャーに組み込みます。

約25年前のスピーカーが甦りました。

修理後のSpendor SP2/3

やはりナチュラルで穏やかな音色の印象です。
エンクロージャーもクリーニングさせていただき、見た目も引き締まった感じがしますがいかがでしょうか。
このあと、1週間ほどさまざまな音楽を鳴らしてチェックを続け、ようやく修理完了となります。

スペンドールは流行に左右されない音を作っているブランドだと認識しています。
この SP2/3 も美しい沖縄の地で、これからもやさしく豊かな音を奏でてくれることと思います。

スピーカー修理のご相談は お問い合わせ からお願いいたします。


Spendor SP2/3 修理概算価格

オーバーホール一式 ペア 200,000円(税込 220,000円)程度

※価格は予告なく変更する場合があります。
※スピーカーの状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。