JBL LE175 はドライバーの型番、1217-1290はホーンの型番で、セットになると LE175DLH となります。DLH は Driver Lenz Horn です。全体が黒いちりめん塗装で統一され、とても存在感のあるドライバーの修理をご紹介します。
今回は福岡県のHさまからのご依頼品で修理の内容をご紹介します。Hさまは L101 を所有されていて、LE175DLH と LE14A のオーバーホールをご依頼いただきました。同様の修理例として JBL 375 もご覧ください。
LE175 お預かりした時の状態(2本同様)
- 異常音
- 磁気酸化、ギャップ内酸化物
- 内部ウレタン劣化
- 内部ケーブル劣化
- 各部ビス、ターミナル酸化
※画像はクリックで拡大します
純正ダイヤフラムはボイスコイル引出部が酸化傾向にありますがこのまま使用可能ですので、丁寧にオーバーホールを進めます。なお、当社でお預かりする JBL のドライバーはほぼすべてこのような状態です。外観はきれいでも内部はこのように劣化が進行しています。
LE175 オーバーホール後の状態
内部ウレタン、内部ケーブル、各部ビスを交換し、磁気の酸化物を除去、防錆処理を施します。ダイヤフラムもクリーニングし、必要な補強をします。すべての準備が整ったら、ダイヤフラムを磁気回路にセットし動作調整を行います。
ウレタン、ケーブル・ラグ、ビス交換済み 磁気回路バーホール、防錆処理済み ダイヤフラムクリーニング、補強、ビス交換済み
1217-1290 お預かりした時の状態(2本同様)
このホーンはパンチングプレートが11枚も重なっていて、経年で汚れや酸化が発生します。分解しパンチングプレートを1枚ずつクリーニング、再塗装していきます。
1217-1290 オーバーホール後
パンチングプレートを1枚ずつクリーニングし、錆を落とし、再塗装します。十分に乾燥させた後、元通りに組み立て直します。ホーン外周の小さな傷もタッチアップで目立たないよう処置しました。
LE175、1217-1290 ともに音を妨げる余計なものがなくなり、ボイスコイルはセンターに収まりましたので、立派な JBL のドライバーの音が復活しました。
モデル、型番にかかわらず、年式の古いほとんどの JBL のドライバーの内部はこのように劣化しています。本来の性能を取り戻すためにはオーバーホールが必要です。なお、ホーンの再塗装はドライバーのオーバーホールと同時にご用命ください。 ご相談は お問い合わせ からお願いいたします。
JBL LE175DLH 1本の修理概算価格
LE175 基本修理:磁気回路オーバーホール、内部ウレタン交換、動作調整 一式 21,000円(税込 23,100円)
内部ケーブル作成:基本修理に 1,000円 追加(税込 1,100円)
1217-1290 基本修理:パンチングプレートクリーニング・再塗装、組み立て 一式 18,000円(税込 19,800円)
※価格はパーツ作成費などの影響で予告なく変更する場合があります。
※ユニット個々の状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。
※パンチングプレート再塗装によりオリジナルとは音質が異なる可能性があります。