人気のモニタースピーカー JBL の 2Way スピーカー 4331A 修理をご紹介します。
今回は山形県のWさまよりお預かりしたスピーカーでご紹介します。
ユニット構成はドライバー2440、ウーハー2231A、ネットワークは3131A です。
では、お預かりした状態の確認からみていきます。
ビス類は酸化が見られますが、きれいなエンクロージャーです。
動作としては、2440、2231Aはともに異常音、ネットワークは特に高域の音圧差につながる動作不良が顕著、加えてアッテネーターにもガリがありました。
これから先、できるだけ長く快適にお使いいただけるようにとオーバーホールをお任せいただきました。主なオーバーホール・修理の内容をご紹介していきます。
写真はクリックで大きく表示されます。
〇JBL 2440(ドライバー)
ペアで異常音だったドライバーのオーバーホール前の状態です。
- 磁気酸化(磁気外周にも酸化物付着)
- カバー内部ウレタン劣化
- ダイヤフラム端子固定ビス他、ビス類酸化
- 内部配線酸化
- ホーン汚れ、塗装剥がれ など
オーバーホール後です。
オーバーホールでは、磁気やギャップ内の酸化物や異物を除去し、防錆処理を施します。各部ビスを交換、ダイヤフラムの状態を確認し、内部ウレタンも交換したのち、動作調整を行います。
動作調整時は発振器で音を出しながらダイヤフラムのビスを締めつつセンター出しをします。
また今回はホーンの内側再塗装も行わせていただきました。
モデルが異なっても、JBLのドライバーのオーバーホールは基本的に同じです。
ドライバー 375の修理実例 もご参照ください。
〇JBL 2231A(ウーハー)
オーバーホール前の状態です。
- ウレタンエッジ劣化
- 磁気酸化
- ターミナル固定ビス酸化
- ターミナル酸化
- 前面フレーム酸化、黒ずみ など
オーバーホール後です。
コーン紙、ボイスコイル、磁気回路をクリーニングし、ギャップ内の酸化物を除去、防錆処理を施します。
コーン紙に新しいエッジを貼り、磁気回路にセットしてセンター出し、動作調整を行います。
この度は前面フレームの再研磨もお任せいただきました。
〇JBL 3131A(ネットワーク)
ネットワーク由来の高域の左右音圧差がありましたので、素子の数値をチェックし素子交換を行いました。またアッテネータ、切替スイッチの代替交換を行いました。もちろん半田の打ち直しも行っております。
〇スピーカーターミナル
ターミナルは 高品質な WBTの0730PL に交換させていただきました。
バナナプラグや太いケーブルも使いやすいターミナルで、より快適にお使いいただけると思います。
できるかぎり分解して行うオーバーホールが終わり、それぞれのエージングチェックが完了したら、ようやくエンクロージャーに組み込みます。
年式の古いスピーカーになると、組み込み時にビス穴周りなどに補修が必要になることが多々あります。
これからも長く安心してお使いいただけるよう、経験豊富なスタッフが細かく目を配りながら慎重に作業します。
組み込み後は発振器によるチェックを経て、ミュージックソースを1週間~10日程度鳴らしたのち、再度発振器にて細かくチェックし、修理完了となります。
これからまたオーナー様の隣で、素敵な音楽を鳴らしてくれることと思います。
大型スピーカーの配送のご相談も承りますので、修理・オーバーホールをお考えの方はお気軽に お問い合せ ください。
JBL 4331A 修理概算価格
オーバーホール一式 ペア 300,000円(税込 330,000円)程度
※価格は予告なく変更する場合があります。
※スピーカーの状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。
※スピーカーターミナル交換、塗装や再研磨は別途オプションにて追加費用が発生いたします。
この例同様の修理の場合は、ペア 440,000円(税込 484,000円)程度が目安となります。