修理のご相談が増えているTHIEL(ティール)のユニット修理をご紹介します。
一見劣化や破損はないようですが、「音がひずむ」という症状が発生しています。
![修理完了の THIEL CS7.2 のミッド。白いコーンとゴムエッジのユニット。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel01.jpg)
お客様からの主なご相談の内容は「特定ユニットの音がひずむ」というものですが、その特定ユニットをエンクロージャー(スピーカー本体)から外していただくと、一目瞭然で不良の原因がわかります。
例として、CS7.2のミッドとCS1.5 のウーハーでご説明いたします。
どちらも16センチほどのユニットですが、他の THIEL のユニットでも同様の傾向があるかもしれません。
→ CS7 のミッドも同傾向にあることを確認しました(2024年3月)
これは CS1.5 のウーハー(M18AO-01-04)です。
コーンの根元にあるダンパー部分のパーツが劣化していることがわかります。
磁気の酸化も見られますね。
![CS1.5 ウーハー外観。横から見るとダンパー台座劣化、磁気酸化が確認できる](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel03-1.jpg)
ゴムエッジを傷付けないよう慎重に剥離していき、磁気とボイスコイルを確認します。
![コーン紙を剥離したCS1.5ウーハーの磁気は、ダンパー台座の劣化物汚れと酸化が顕著。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel05.jpg)
![CS1.5ウーハーのダンパーには台座の劣化物残骸あり。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel06.jpg)
こちらはCS7.2のミッド(M18AO-0206)のダンパー部です。
同様にコーンの根元あたりの茶色いパーツが崩れていることがわかります。
![CS7.2ミッドのダンパーにも台座劣化物の残骸あり。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel04.jpg)
これではコーンが正常に振幅せず、また磁気のギャップ内にダンパーの劣化物が落ちていき、ビリツキ、歪み、ボイスコイルのこすれなどの不具合が発生してしまいます。
当社基本のオーバーホールに加え、ダンパーの台座を作成し、接着します。
接着不備は異常音の原因になりますので、精度を出しつつ、しっかりと固定します。
![オーバーホール、ダンパー台座接着済みのCS1.5のウーハー](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel07.jpg)
ダンパー側も劣化物を丁寧に除去していきます。
![ダンパー側も丁寧にクリーニングし、劣化物を除去](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel08.jpg)
コーン側、磁気側ともにきれいにクリーニングし準備ができたら、磁気にコーンをセットして発振器を使用し、動作調整を行います。
以上で修理完了です。
![修理完了のCS1.5のウーハー側面。ダンパーがしっかり固定されている](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel09.jpg)
![修理完了のCS1.5のウーハー正面。黒いコーン、ゴムエッジ、ディフューザーつきのユニット](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel10.jpg)
![修理完了のCS7.2のミッド。ダンパーがしっかり固定されている](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel11-1.jpg)
![修理完了のCS7.2のミッド正面。白いコーン、センターキャップ、ゴムエッジ。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2023/11/thiel01.jpg)
![修理完了のCS7のミッド正面。黒い発泡系平面振動板、ゴムエッジ。](https://relicfreq.com/wp-content/uploads/2024/04/thiel12.jpg)
接着剤が完全硬化したら、最低2日間のエージングチェックにて経時変化がないことを確認し、オーナーさまへお返しとなります。
このように、目に見える部分の劣化が表れてきたら内部も含めたメンテナンスのタイミングとも言えます。長くTHIELサウンドをお楽しみいただくために、当社の修理がお役に立てればと思います。
修理のご相談は お問い合わせ からお願いいたします。
THIEL(ティール)ユニット修理 1本の修理概算価格
基本修理:磁気回路オーバーホール、ダンパー台座代替品作成、動作調整 一式 33,000円(税込 36,300円)
※CS7.2 のミッド、CS1.5 のウーハー、CS7 のミッドにて、上記内容での修理経緯があります。
※価格は予告なく変更する場合があります。
※年式の古いユニットで個々の状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。