JBL を代表するツイーターユニットのひとつである JBL 2405 ですが、歪みやビリ付きといったご相談が多いユニットでもあります。

ダイヤフラムに致命的な問題がなければ、当社のオーバーホールで正常な動作に整えることができ、きれいな音を取り戻すことができます。なお、JBL 2405H の修理も同様、同価格とお考えください。

当社でオーバーホール、ホーン再塗装したJBL2405。
当社でオーバーホール、ホーン再塗装した JBL 2405。

それでは実際のオーバーホール、ホーン再塗装の工程をご紹介いたします。まずはお預かりした状態から。

修理ご依頼品のJBL2405。ホーンの汚れ、塗装剥れ、傷が目立ちます。
修理ご依頼品の JBL 2405。ホーンの汚れ、塗装剥れ、傷が目立ちます。

音出し確認の結果、ペアでビリ付きが確認できました。
外観もかなり傷つき、塗膜が劣化しています。
音、フェーズ(位相)、外観を確認したら、さっそく分解していきます。

外観からも予測できましたが、やはり磁気もかなり酸化しています。ごく狭いギャップ内にも酸化物が確認でき、これがビリ付きの要因とわかりました。

JBL2405の磁気部分。中心の丸い穴は「ディフューザー」を固定するビスが通る穴。その外側の僅か数ミリのドーナツ状の隙間が「ギャップ」で、ここにボイスコイルが収まります。
JBL 2405 の磁気部分。中心の丸い穴は「ディフューザー」を固定するビスが通る穴。その外側の僅か数ミリのドーナツ状の隙間が「ギャップ」で、ここにボイスコイルが収まります。

ちなみに当社では、ギャップが露出した段階で磁束密度を測定します。測定の結果、ペアで差が確認できたり、当社の同モデル測定の平均値と比べて問題がある場合は、お客さまにご報告の上で再着磁をご提案しています。

今回、磁束密度は問題なく、またダイヤフラムも純正品でこれからもお使いいただける状態でしたので、「オーバーホールと動作調整」というお見積りになりました。

JBL2405のダイヤフラム。特に問題ありませんでした。
JBL 2405 のダイヤフラム。特に問題ありませんでした。

また、オプションでホーン一式の再塗装もご用命いただきました。

年々、ホーンの塗装が剥がれていたり、傷が目立つ個体が増えてきており、当社のオーバーホール時に再塗装をご用命いただくことも多くなりました。

再塗装前のJBL2405ホーン一式(3点セット)。
再塗装前の JBL 2405 ホーン一式(3点セット)。

この3点セットのそれぞれについて、元々の塗装を落とし、素地を整え再塗装します。ちなみに、一番上のとんがりを「ディフューザー」、二番目の円柱型を「ホーン」、三番目の四角を「プレート」と呼んでいます。

お客さまの思い出の中のJBL2405が甦るように、また、これから日々スピーカーを気持ちよく眺めていただけるように丁寧に丁寧に塗装していきます。

オーバーホール、ホーン一式の再塗装が終わりました。
なお、JBL 2405、JBL 2405H のオーバーホールは、磁気の酸化物除去・防錆処理、ターミナルクリーニング、ターミナルビス交換、ダイヤフラムクリーニングなどが一式となっています。

磁気回路オーバーホール、ホーン一式再塗装が完了したJBL2405。
磁気回路オーバーホール、ホーン一式再塗装が完了した JBL 2405。

各部のクリーニングや塗装が完了したら、ダイヤフラムを磁気に戻し、動作調整を行い、修理は完了となります。

すべての修理、チェックが完了したJBL2405。
すべての修理、チェックが完了した JBL 2405。

修理が完了したら最低2日間のエージングチェックを経て、経時変化がないことを確認し、オーナーさまへお返しとなります。

JBL 4343 や JBL 4344(前期には JBL 2405、後期には JBL 2405H)に採用されているツイーターで、現在もユニット単体で取り引きされている銘ツイーター。しっかりメンテナンスすることでまだまだ長くお使いいただけます。

貴重な純正パーツに致命的な問題が起きる前に、オーバーホールをお勧めいたします。興味をお持ちいただきましたら、お問い合わせください。


JBL 2405 / JBL 2405H ツイーター1本の修理概算価格

基本修理:磁気回路オーバーホール、動作調整 一式 21,000円(税込 23,100円)

ホーン一式再塗装:基本修理に 7,500円(税込 8,250円)~ 追加

※価格は予告なく変更する場合があります。
※ユニット個々の状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。
※ホーン再塗装のみはお受けしておりません。オーバーホールと同時にご用命ください。