当社でもっとも多くお預かりするスピーカーユニット、JBL のミッドバスとウーハーのリコーン修理をご紹介します。なお、ミッドバスは2121,2121H、2122H、ウーハーは2231A、2231H、2235H、135A、136A、136Hなどが同様の修理内容・価格となります。
当社では「オリジナル尊重主義」により、通常はコーン紙やボイスコイルを温存しオーバーホールとエッジ貼り替えの修理を行いますが、コーン紙やボイスコイルに致命的な問題がある場合はリコーン(=コーン紙全体の貼り替え)を行います。
致命的な問題とは、ボイスコイル焼損・酸化、コーン紙破れ・ひどいカビ・汚れ、ダンパーの変形などがあります。
なお、JBL(ハーマン)からのコーン紙の供給はかなり以前に終了していますので、当社では東京のリザイエさんで作成されたパーツを使用します。これはハーマン出身の技術者の方たちが作成したパーツで、当社でもオガワ時代を含めすでに多数使用実績があり、特にウーハーは100本近くこのパーツでリコーンしています。
オリジナルのパーツではなくなりますので、厳密には外観、音質がオリジナルとは異なりますが、このパーツでリコーンすることにより引き続きユニットをお使いいただくことができるようになり、お客さまには「あきらめずに済んだ」と喜んでいただいております。
ではまず、2121Hと2231Hのお預かり時の状態から。
ウレタンエッジはすでに劣化してなくなっていて、お客さまご自身でエッジ部分に応急処置をしてあります(本来はこのような処置は控えていただきたいと思います。温存できるパーツも温存できなくなったり、当社のオーバーホール・調整が難しくなったりします)。
コーン紙の傷は猫ちゃんのひっかき傷でしょうか。また退色し色褪せています。銀色のフレーム部分も酸化で黒ずんでしまっています。
外観を確認したら、コーン紙を剥離して磁気を確認します。
磁気は酸化、汚れはありますが特に大きな問題はなく、当社の通常のオーバーホールで対応可能です。古いエッジや酸化物を取り除いた後に防錆処理を施し、導通改善のためターミナル固定ビスを交換、ターミナルとラグをクリーニングします。
オーバーホールがおわったら、コーン紙を貼り替えます。もちろんエッジも新品のウレタンエッジです。
お客さまにオリジナルとは音質、外観が異なる旨をご了解いただき、リコーンしました。 今回はさらにフレームの研磨も行い、見違えるようにきれいになりました。
思い入れのある大切な4343などのスピーカーをこれからも鳴らしていただけると思うと、私たちも嬉しく思います。
このリコーンにより、音が出ない、コーン紙が破れた、という場合でも修理は可能になります。興味をお持ちいただきましたら、お気軽に お問い合わせ ください。
リコーンすべきかどうかわからない、という場合もご安心ください。ボイスコイルの状態を含め現物を確認後、よりよい手法とお見積りをご提案いたします。
ただし音のバランスを考慮し、リコーンはペアでの修理が必須となります。
JBL ミッドバス、ウーハーユニット リコーンとフレーム研磨 1本 修理概算価格
〇ミッドバス(2121,2121H,2122Hなど)リコーン修理
:磁気回路オーバーホール、代替パーツでリコーン、動作調整 一式
56,000円(税込 61,600円)
〇ウーハー(2231A,2231H,2235H、135A、136A、136Hなど)リコーン修理
:磁気回路オーバーホール、代替パーツでリコーン、動作調整 一式
59,000円(税込 64,900円)
〇ミッドバス、ウーハー フレーム研磨(オプション項目)
:上記修理に 7,000円(税込 7,700円) 追加
以上によりミッドバス、ウーハー各2本をリコーンとフレーム研磨した場合の総額は、概算283,800円(税込)程度が見込まれます。
※価格はパーツ作成費などの影響で予告なく変更する場合があります。
※ユニット個々の状態はさまざまですので正式なお見積りは現物確認後にご案内します。